君じゃなきゃ。
「はい!じゃぁ行きましょう!」
パッと顔をあげると先輩は口に手を当てながら
「相川さんは本当にわかりやすいね」
なんてクスクス笑った。
「でも、いいよ。僕が探しておくから。相川さんは帰って」
「なんでですか!あたしも一緒に探します」
「大丈夫、僕一人で探せるから。僕もすぐ帰るし!というわけで、ハイ!お疲れ様~」
先輩は半ば無理やりにあたしを帰そうとする。
「わ……わかりました……じゃぁすみません。お疲れ様です」
「はい、お疲れ~」
そして右手を振りながらにこやかにあたしを見送ってくれた。
なんで無理やり帰されたんだろ。邪魔なのかな。
少し不満に思いつつも健人たちの待つ焼き鳥屋へ急いだ。