君じゃなきゃ。
健人の少し硬めの髪と吐息があたしの腕をくすぐった。
やばい……。
ちょっと可愛い……。
抱き締めたい、なんて衝動にかられながらも健人から手を離して立ち上がった。
「あっ……」
寂しそうにあたしを見つめてくる健人に胸の奥がキュッとなった。
「健人!起きるよ?!ご飯食べよ?」
「ん~……もうちょっと寝ようよ?」
「えぇ!?だってもう3時だよ!?お腹すいたし……キャッ!」
衝動を我慢して立ち上がったというのに、結局ベッドから伸びた健人の腕に引き戻されてしまった。