君じゃなきゃ。


「さくらは真面目だからね」

あたしの何もかもを見抜いたように健人が笑う。


「オンとオフを切り替えること意識しすぎて、ずっとオンの状態になってる」

「……う」


健人に言われるのはちょっと癇に障るけど……でも当たってるかも。



「何も考えないオフも必要だよ?」

「そ……そうかも」

「だから……俺が何も考えられないようにしてあげる」


なんて調子のいいことを健人が言ってくるから


「はいはい。それよりご飯!」


軽くあしらって、空腹を満たすべくご飯の準備を始めた。


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