君じゃなきゃ。
<10>


休日明け。


いつも通り健人と同じ電車になり、ホールでエレベーターを待っていると、偶然にも先輩が現れた。


「おはよう」

先輩の方から爽やかに挨拶してくれたので、あたしはホッとした。


「あ、おはようございます!」

「……はようございます」


ち……ちょっと健人!


注意したくても周りに他の人がいるためできない。

そんなあたしの様子に気づいたのか、先輩は小さく笑って


「いいよ。まだ警戒してるんでしょ?」


健人に聞いた。


< 321 / 357 >

この作品をシェア

pagetop