君じゃなきゃ。
「何やら楽しそうだね!待ってたよ!竹下くん!」
課長がにやにやしながら竹下先輩に近づき、肩にポンッと手を置いた。
「課長、早いですね。なんですか?僕を待ってたって……」
「今日、各課の課長が集まった早朝会議があってね。かなり大きな新しいプロジェクトが決まった」
あたしと先輩が進めてきたプロジェクトがひと段落ついたから……また新しいことが始まるんだ。
しかも今度は大きいみたい……楽しみ!
隣の先輩と課長が交わす会話を聞きながら、ウキウキしてしまう。
「それで、その新しいプロジェクトのリーダーにね……君が選ばれたよ」
「え!僕ですか?!」
驚いて先輩は課長に問いただしながら自分を指差した。
健人の腕掴みに続いて、本日二度目の自分指し。