君じゃなきゃ。


「僕も帰るよ」

全ての電気が消えた暗がりの中、竹下先輩がぬっと姿を現した。


「えっ!あっ帰るんですか?!」

「何?まだ働けと言うの?」

「やっ!あのっそういうわけじゃなくて!」

「はは……冗談だよ。駅まで一緒に帰ろうか」

「うわっ……はっはい!」


せ……先輩と帰るの!?


ヤバイ……。

あたし……先輩と一緒に帰るっていうことにすごく動揺してる……。


着いたときはビクビクしてた。

でも先輩がいたから安心してそれが消えた。

そしたら今はドキドキしてる。


この感情の展開の早さはなんなのだろう……。


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