君じゃなきゃ。


「あ、あのっ!あたし明日は朝早く出勤しますね!」


心臓の動きを悟られないように、先輩からパッと目を離して咄嗟に言った。


「いいよ、通常通りで。だいぶ仕事進んだから大丈夫!それに今日は飲みだったんだから朝キツイでしょ」

「……えっ……?!」


なんで……なんで先輩、あたしが今日飲みに行ってるって知ってるんだろ……?

一度は離した先輩にまた視線を合わせる。


すると先輩は

「あっ!」

と言って、しまった……!という顔をして手で口を押さえた。



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