羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
恥ずかしさで泣きながら、
「もう帰ります、お願いだから帰らせてください」
「うーん、すごく名残惜しいんだけど」
そう言って先輩は続ける。「明日までうちにいれば? あ、このまま一生でもいいけど」
「いやですって!」
思いっきり叫ぶと、思った以上に声がかすれていて、先輩はまた楽しそうに笑った。
「まぁ、柊刑事も心配だろうし仕方ないかなぁ。あ、そうだ。柊家に俺が住むっていうのはどう?」
「絶対いやです!」
「今のは、本気の『いや』だなぁ」
そんなことを先輩はつぶやき、微笑む。
どういう意味よ、と睨むと、
「その目されると、またムラムラするけど?」
「ひっ!」
さっと自分の目を隠した。なななななななにそれ!
私は慌てて何とか先輩から離れる。もう次、手を出したら噛んでやる! そんな気持ちを知って知らずか、先輩は苦笑しながら私の顔を見て、息を吐いた。