羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
次の日、もうこれからどうするか考えるのも嫌になって、ぼんやり家事をしていると、玄関チャイムが鳴った。
なんとなく嫌な予感がしつつも、父も出勤していたので、私はしぶしぶ玄関に出る。
宅配の可能性もある。父の趣味はネットショッピングなのだ。
玄関扉を開けると、先輩と、そしてその後ろには大きな荷物を抱えた男の人、そして他にも数人の作業着の男性が立っていた。
これは予想外だ。完全に予想外だった。
「な、なんですか……!」
私が驚いて叫ぶと、先輩はにこりと笑い、
「せっかく池があっても水もなくて残念に思ってたんだよね。だから紅白と金の錦鯉を20匹ほど見繕ってきた。みゆへのプレゼント。あ、もちろん鯉の世話役もつけるね。工事もあるし、庭にはいらせてもらうよ」
と言うと、男の人たちにお願いをして、そのまま男の人たちは何やら庭の工事をし始める。
ちょ、ちょっと待って!
昨日はじめての朝を迎えて、次の日家にやってきたと思ったら、庭の工事はじめるの!? 鯉20匹って何? そもそもさっき鯉の世話役って言った⁉ 鯉に世話役っているの? なに⁉ どういう事⁉