羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
でも結局恥ずかしくなって目をそらす。すると先輩は、
「みゆ。それ、ちょっとかわいすぎない?」
「へ?」
意味が分からない、と思って顔を上げると、先輩は私の腕を引いて自分の方に寄せると、そのまま顔を近づけてくる。
「ちょ、ちょっと、待ってください!」
「待たない」
その返事に驚いて目を開くと、そのまま唇が合わされた。
「んっ……!」
(ちょっとまってーーーー! 外ですからぁああああ!)
慌てて先輩の胸板を押す。でもなかなかやめてくれなくて、泣きそうになると、先輩が諦めたように唇を離してくれた。
「先輩、人前だけはやめて……!」
そう言って先輩を見ると、先輩は、それも反則、と呟いて、自分の口元を手で覆う。
「……なら、これからうちにきてくれる?」
(うちって……先輩の家⁉)
つまりそれは、そういうことで。あれをすることだろうか。
困っていると、先輩は私の背中に腕を回して、
「ごめんね、金曜あれだけしたのに。でもあれからちょっとおかしいんだ」
と耳元で苦笑する。「俺、あれからずっとみゆの体温ばっかり、思い出してる」