羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「そうだ、ちょっといい?」
私がはい、と頷くと、
「私、先に戻るわね。副社長、失礼します」
と、宮坂さんは、そのまま先にエレベータに乗っていってしまう。
副社長は副社長で、隣にいた秘書の女性に何か告げると、その秘書もいなくなった。
「ごめんね5分だけちょうだい。きみと話してみたかったんだ」
そう言って柔らかい笑顔で笑う。
先輩も言っていたし、面接のときも思ったけど、この副社長、本当にいい人っぽいなぁ。副社長は食堂横のスペースの椅子に私を誘導し座らせ、自分も横に座った。