羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 そんな私に、副社長はもう一度頭を下げると、

「これって、柊さんにとっては失礼な話だったよね……。本当にごめん。申し訳ない」
と言って続けた。「僕が言うのもなんだけど、そういうの全部抜きにしてさ……。健人とずっと一緒にいたいかどうかで、最後は決めたらいいんだよ」
と優しい声で言う。

「そんなこと言われても……」
「健人のことは、好き?」

 そう問われて、どきりとした。
 でも、その答えはもう決まってた。いつの間にか、それだけは迷いようもない事実になってる。

「好きです」

 そう言い切った私を見て、副社長は目を細めると、よかった、と笑う。

「健人はね。『キミといる未来』以外の可能性を、1㎜も考えてもいないんだよ」


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