羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「ま、まさか、わ、私、変な寝言言ってませんでした?」
「あぁ……」
先輩は思い当たるところがあったようで、目をそらせた。
その様子に、ごくりと息を飲み込む。
「な、なんですか……」
「うーん」
「教えてください!」
「俺のこと、呼んでた」
「う、嘘……」
「本当」
(ですよねーーーーー⁉ 夢でも先輩と会ってましたもん!)
っていうか恥ずかしい。恥ずかしすぎる!
寝てまで先輩の夢を見てたのに気づかれたようで、私の中の羞恥心の針が完全に振りきれそうだ。
先輩は私の身体をぎゅうと抱きしめると、
「何回も俺のこと呼ぶし、声かわいいし、タガが外れるかと思った」
それはさすがに……。と言って眉を寄せると、先輩はまた楽しそうに笑った。