羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

「ま、まさか、わ、私、変な寝言言ってませんでした?」
「あぁ……」

 先輩は思い当たるところがあったようで、目をそらせた。
 その様子に、ごくりと息を飲み込む。

「な、なんですか……」
「うーん」
「教えてください!」
「俺のこと、呼んでた」
「う、嘘……」
「本当」


(ですよねーーーーー⁉ 夢でも先輩と会ってましたもん!)

 っていうか恥ずかしい。恥ずかしすぎる!
 寝てまで先輩の夢を見てたのに気づかれたようで、私の中の羞恥心の針が完全に振りきれそうだ。

 先輩は私の身体をぎゅうと抱きしめると、

「何回も俺のこと呼ぶし、声かわいいし、タガが外れるかと思った」

 それはさすがに……。と言って眉を寄せると、先輩はまた楽しそうに笑った。

< 221 / 302 >

この作品をシェア

pagetop