羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
先輩との生活は……なんていうか、いつもドキドキして心臓に悪い。
なのに、ここが居心地悪いなんて思えなくて。むしろ居心地がよくて……先輩と離れたくないって思っているのだから不思議だ……。
バスルームから出て、身体を拭かれ、着替えさせられ、ベッドに横たえられる。
私はのぼせてぼんやりとする頭と目で、先輩を見た。
「はぁ……」
「ごめん、のぼせちゃった? これ飲んで」
「あとでいいです……んんっ……!」
言うより先、口づけられて、そのまま口移しで水を飲まされる。
涙目で先輩を睨むと、
「あとはダメ。みゆ、そのまま寝ちゃうでしょ」
と先輩は優しく私の髪を撫でた。
「だからって口移しで飲まさないでください! もっとのぼせるでしょうが!」
「あはは、ごめん」
先輩は明らかに口先だけで謝ってる気がする。
むぅ、と膨れてみるけど、先輩はそんなこと気にしてないように抱きしめて、優しく背中をなでる。
「もう眠い……です」
「うん。このまま寝たらいいよ」
「先輩……」
眠る前の、まどろんだ意識の中……。
「私、このまま先輩とずっと一緒にいたい」
そうつぶやいたのは、夢だったのか、現実だったのか、
私にはわからなかった。