羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 そしてそれから強引にいってしまいそうな自分を押さえつけ、できる限り合法的な方法で、やっとみゆと付き合いだした。
 みゆが俺をみて、怒ったり、笑ったりする顔を近くで見るだけで嬉しくて、絶対に結婚してずっと一緒にいたいと、再会してからより深く思った。


 ただ、みゆは結婚にはかなり消極的だった。特にうちの家系のことも大きかったらしい。
 そして『普通の年月付き合ってから結婚を考えたい』と言う彼女に、普通の年月ってどれくらいかと聞いたら……。


―――普通だと最低2年は付き合って、婚約して半年後くらいに入籍? 子どもはその2年後とか。


 あれには正直、驚いた。
 自分はもう12年待っている。これからまた2年だなんて気が狂いそうだ。

 かといって、高校時代のことを思えば、無理矢理に推し進めることもできなかった。ゆっくり、彼女のペースで、でも自分の気持ちや思いだけは何度も伝えていった。


―――それでもし……。


 もし、あのツンデレでなかなか本心を言ってくれない彼女が、自分から、俺と『ずっと一緒にいたい』と言ってくれたなら……。

 俺はもうどう言われたって、すぐに彼女を捉えて、今までより少し強引に、
結婚も、子どものことも推し進めようと考えていた。

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