羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
17章:注がれる愛が重すぎる
髪を優しく撫でる感覚がして、夜のまどろみの中、目を開ける。
すると、先輩が愛おしそうな目で私を見ていた。
「ん……私、寝てました?」
「うん、少しね」
「先輩は……寝てなかったんですか? ちゃんと寝ないと……」
続けようとした瞬間、唇が合わさる。
「……んんっ!」
そのまま何度もキスをされて、するりと舌が入り込むと、全部を奪うように口の中を舐めつくされた。起きがけにそんなことをされると、熱に浮かされて、頭がおかしくなりそうになる。
慌てて先輩の胸を押しても、先輩はやめてくれなくて、そのまま唇を首すじに落とした。
「ちょ、待って! 待って! もう散々しましたよね⁉ 覚えてないんですか⁉」
まさか、とは思うもののそんなことを聞いてみる。
先輩はクスリと笑うと、
「うん、ちゃんと覚えてる。みゆとしたことは全部覚えてるよ。みゆの身体のことも全部」
「それはそれで……いやぁ!」
泣きそうになった、いや、泣いた私の涙を舐めとって、先輩は楽しそうに笑う。