羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「みゆ、眠る前に『ずっと一緒にいたい』って言ったの覚えてる?」
そう言われて私は混乱した。
やっぱあれは夢じゃなくて、本当に言ってたんだ……。先輩、どう思ったんだろう。そんなことが気になった。するとその考えに返事をするように、
「みゆがそう言ってくれて、俺はすごく嬉しかったんだ」
「先輩……」
目が合うと、また二人笑う。今、すごく心が温かい気がする……。
すると先輩は、私を抱きしめ、
「だからね、もう一度愛させて」
と耳元でささやいた。
「もう一度って!」
(先輩が嬉しく思ってくれたのは良かったけど、ぜったい一度ですまないパターンのやつ!)
「いや、そもそも『だから』って話繋がってました⁉ ……きゃぅっ!」
混乱する私を知ってか知らずか、次は耳に唇を這わされ、勝手に体が熱くなる。
あれだけ先輩に愛されきった身体は、先輩のキスだけで反応するようになっていた。
その事実に気づいて、恥ずかしさに目を瞑る。なのに先輩は、
「みゆ、ちゃんと目を開けて俺を見て」
激しいキスの嵐の合間、私の頬を撫でた。
その暖かな感触に思わず目を開けると、先輩はまっすぐ私を見ている。
「みゆ愛してる。俺もみゆとずっと一緒にいたい」
その言葉に、先輩のまっすぐな瞳に、胸がドキドキと極限まで鳴り響く。
(どうしよう。目の前の人が愛しくて、苦しい)
また唇が合わさる。肌に触れる先輩の熱を持つ手に、余計に反応した。
―――私だってまた抱き合いたい、もっと近くで先輩を感じたいんだ。
そんなことを思いだした私に、先輩はまだ足りないと言うように、何度も先輩の身体を覚えさせて……
「みゆ、愛してる」
夜の合間、何度もささやかれる先輩の声が、自分に溶け込んでいく感覚がした。