羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 すると先輩は、言おうか悩んでたんだけど、と呟き、心底申し訳なさそうに、

「実は俺ね、性欲がめっぽう強いほうみたいなんだ」

と言った。


(セイヨクガメッポウツヨイ……?)


「……もうその先は聞きたくないんですけど」
「みゆにしか反応しないのに、みゆは大変だろうと思って、これまではできる限り抑えてきてたんだよ」

「抑えてた⁉ あれで⁉」


えっと、ちょっと待って。整理させて。それに驚いたわ!
たしか、私、先輩のせいで3日ほとんど眠れなかったことがあるはず。


「でもね、もう結婚したし、ちゃんと知ってもらおうと思って」
「……ちゃんとって……」
「みゆ言ってくれたよね? 俺とずっと一緒にいたいって」
「そう言う意味ではないんですけど」
「大丈夫。みゆのことも、子どものことも、一生大事にするから」


「……子どもって……! んんんんっ!」


 当たり前みたいに、ベッドに押し倒されて、口の中に先輩の舌が入り込む。顔が熱くなって泣きそうになって、息が苦しくなってもやめてくれない先輩に怒って胸を押しても、その手を取られてベッドに縫い付けられて、形勢は悪くなる一方だった。
 そのまま歯列も口内も全部舐めとり、唇を離してあふれる唾液をも舐めとったあと、先輩は息を漏らす。


「やっぱりみゆの中、気持ちいい……」

(言い方――――――――!)


 泣きそうになる私をみて妖艶に笑った先輩は、確かにそれまで以上に濃密でやたらねちっこい5日間を私にプレゼントしたのだった。


 愛してる、と何度もささやいて注がれる先輩の愛は重すぎて……
 私は結婚初日からこの結婚を後悔し始めていた。


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