羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


「そういえば性別分かったんでしょ? どっちだった?」
 一樹さんが言う。

「女の子です」
「それはかわいいだろうね」
 一樹さんは目を細める。すると先輩も、

「絶対かわいいだろうな。……でも心配だ」
とつぶやいた。「変な男に目をつけられたりしないか心配」

「それを先輩が言います?」

 私は思わず眉を寄せた。


「俺がみゆのこと好きすぎて変なのは自覚してる」
「それを堂々と言わないでください!」
「みゆだけだって心配なのに、子どもも心配。やっぱりもっとSP増やさないといけないかなぁ」

 私はそれを聞いて思わず泣きそうになる。
 あの事件の解決後、やっとSPの人数を減らしてもらえたのだけど、3人はなぜかそのまま残り、今も外出するときはずっと3人のSPが近くにいる。おかげで近所の住人にまで、『皇族が近くに住んでいるっぽい』とまことしやかに囁かれているのだ。

 先輩に文句を言ったら、『もしみゆに何かあったら、俺、その相手を絶対どうにかしちゃうよ。それでもいいの?』と強い言葉で押し切られ、そのまま保留になっている次第だ。

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