羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 そんな私たちを見て、一樹さんが楽しそうに笑う。

「相変わらず仲良しだよね」

(そういえば一樹さんがいた!)

 そう思ってやけに恥ずかしくなった。


「……そ、そうですかね?」

 仲いいとは言っても、さっき大事なことは聞こえないフリされましたけど……。
 眉を寄せる私を、先輩はもう一度ぎゅう、と抱きしめなおすと、

「仲いいの、あたりまえでしょ。俺はみゆにしか反応しないし、みゆしか愛せないんだから」

と私の髪に当たり前のようにキスを落としながら言う。


(お願いだから、恥ずかしげもなく、そんなことを人前で言って、そんなことしないでくれーーーーーー!)


 私が泣きそうな顔になると、一樹さんも、先輩も、楽しそうに笑った。

―――なんなんだこのいじめっ子兄弟……!

 しかしそんな二人にも慣れつつある自分が恐ろしい……。やっぱり人は慣れる生き物らしい。

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