羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
私は思わず先輩に自分からキスをしていた。
先輩は少し驚いた顔をした後、次は先輩からもう一度キスをしてくる。
離れるのが惜しいように何度もキスをしたあと、唇が離れる。その時、先輩はふと思い出したように、
「あと、これからの時期、どうやって愛し合えばいいのかもよく聞いておいたからね」
と笑った。
「……はい?」
「ほら、時間とか、深さとか」
それを聞いた瞬間、私の顔が真っ青になって、それから真っ赤になるのが自分でもわかった。
「ふ、ふ、ふざけんなーーーー!」
「え、なんで? どうしたの?」
「産婦人科の先生、また来月も顔合わせるのに……! 恥ずかしくてもう検診に行けない!」
そんなこと聞く人いるの⁉
いや、いたとしても私は聞きたくなかった……!
「恥ずかしがらなくてもいいでしょ。そういうことしたから子どももいるわけだし」
「それでも……!」
泣きそう。いや、もう泣いてる……。
(お願いだから、もう少しデリカシーをください……!)