羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 家に帰ってみると、父は、今日は泊まり勤務で誰もいなかった。家は真っ暗だ。
 家に入って電気をつけると、古い床だけが、ぎい、と私を出迎えた。

 はぁ、と小さくため息をつき、私は先ほどのことを反芻していた。

 今頃二人はどうしているだろう。どうもこうも、すきなようにやればいいけど……。
 私には関係ないんだから……。


 それにしても先輩、なんであんなとこで、手なんて繋いだのよ……。
 奇妙な告白も相まって、手のぬくもりを思い出すと、私の心臓は限界まで脈打っていた。そのせいで間違いなく変な気分になってくる。

 私はぼんやりとつながれていた手を見る。
 そしてそれを二度見した。

(おい、これ、なんだーーーーーーー⁉)

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