羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 すると、キッチンには、卵焼きを焼く父と、ご飯をよそう羽柴先輩の姿があったのだった。
 なぜか、これはちょっと予測できたわ……。

「おはよう」

 羽柴先輩が最高の王子様スマイルで私に言う。

(朝から日の光よりまぶしいものを部屋の中で放たないでください!)


 私は目をそらすと、

「朝から人んちでなにやってるんですか……」
とできるだけ低い声で言う。

「あれから大丈夫だったかなぁって思って」
「大丈夫です!」
 間伐入れずに返すと、羽柴先輩は笑った。

「そう」
「今日、絶対一緒になんて行きませんからね」

 先にくぎを刺してみる。きっとそう考えていそうな気がしたからだ。

「えー。でも同じ方向だしさ」
「じゃ、父とでも行けばいいじゃないですか。職場近いんですよね」

 私はきっぱり言った。朝から仲良く出勤なんて周りになんて言われるか……想像しただけで震える。
 すると、先輩は困ったように笑っていた。

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