羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
先輩が連れて行ってくれたのは、先輩の法律事務所の入っているビルの屋上。
そこには花々が埋められ、イルミネーションとまでは行かないが、その花を大事に慈しむように、かわいい電気がいくつも点いていた。
「わぁ! かわいい!」
「ここ、みゆにも見せたかったんだ。うちのビルのオーナーが女性で、センス良くてね。ギラギラしたものじゃなくて、ほっとする空間を作りたいってコンセプトみたい」
「ほんとステキ!」
私がその花を見て微笑むと、先輩はくすっと笑って、私の右手をすっと手に取ってそのまま手をつなぐ。
私は慌てて先輩を見上げた。
「せ、先輩……?」
「ごめん。笑ってるみゆが、かわいすぎて」
「なっ……!」
(かわいいとか平然と言わないで!)
絶対今、顔が赤い。あたりが暗くて良かった……。