まだ、青く。
「鈴のすけ、ありがとな。これで色々分かったよ。やっぱ千先輩はオレより何倍も大人だってこと。勉強もすっげー頑張って、部活もまとめて。敵わねえな。ってか、届かねえな。オレじゃ...ダメだな」

「そんなことないです。今は大学でも、そのうち誰かを強く想うようになるかもしれません。心は万物流転です」

「でもよ~、いくらそん時が来ても、相手はオレじゃない気がする。バカは嫌いそうだし、それにあんなカッコいい幼なじみがいるし。進学先で良い出逢いがあるかもだし。オレなんか、釣り合わねえよ」


天秤にかけた時、

どちらかの愛が重ければどちらかが沈む。

等しくならないと釣り合わない。

それは古から変わらない事実で、

私にはどうすることもできない。

けど、

だけど、だよ。

兆くんには諦めてほしくない。

こんなに想ってるのに、

会えないときも、

会っているときも、

どんな時でも、

強く強く思っているのに、

それなのに、

伝えないで終わるなんて、

諦めてしまうなんて、

そんなのダメ。

間違ってる。

私は...

私はね......

< 104 / 310 >

この作品をシェア

pagetop