まだ、青く。
私は青空ポストから自分に宛てて書いて投函していた手紙を取り出した。

皆に私の能力が知られ、ここに直接投函する人がいなくなって、青空ポストは寂しそうにしていた。

だから、私は自分の想いを整理して真っ白の便箋にしたためて、空色の封筒に入れ、投函しておいたんだ。

いつの日か、空の彼方へと、自分を放てるようにと。


それが...今だ。


私は便箋を折って紙ヒコーキにして、青く澄んだ空へと放った。


青空に向かって今日は何を語ろうか。


私は、

その心の青さを

語りたい。



私は、

まだ、青く。




Fin.

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