まだ、青く。
「あの、さすがに最初から1人は心細いと思うので兆を補助につけてはどうですか?兆はインタビューに慣れてますし」

「そうね。うん、そうしましょう」

「んじゃあ、鈴ちゃんが困った時はオレがフォローに入るってことで」

「あ...ありがとうございます。助かります」


兆くんが居てくれるなら心強い。

どんな相手の懐にも入り込めそうな柔軟性があるし、それに何より笑って誤魔化してくれそう。

もちろん良い意味で...。


それにしても、また凪くんに助けてもらっちゃったな。

毎度毎度私が困っているのを見抜いてすかさず助け船を出してくれる。

今度お礼をしたい。

あの時の缶ジュースよりも価値のあるもので。


「じゃあ、今回は部活面が杉浦と鈴ちゃん。取材の時だけは凪くんがカメラマンとして着いていって。で、勉強面がアタシと潤ちゃん。コラムが凪くんとトミー。皆了解しやした?」

「りょ、で~す!」

「了解です」

「了解しました」

「オッケーです」


皆が言い終わり、私に視線が集中する。

あぁ、ハンカチ...。

ポケットに手を突っ込み、ハンカチをぎゅうっと絞れるくらいまでに握った。

そして、言葉を放った。


「がっ、頑張ります」

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