まだ、青く。
7月号が完成し、夏休みに突入した。

千先輩は学校の大学受験対策講座の後、塾にも通うため、姿を見せなくなった。

次に来るのは、3日後。

中学生向けオープンスクールの日だった。

部室にいるのは、蝉の脱け殻のような兆くんと私だけ。

涼介くんは実家の食堂が夏休み期間限定で海の家をやるらしく、そっちの手伝いに行っている。

そして、潤ちゃんと凪くんはパソコン室でスケジュール調整等忙しくしている。

それなのに、私達はというと...

窓をガンガン開けて扇風機の生ぬるい風に当たっているだけ。

何かしなきゃとは思うものの、何もする気になれない。


「お~い、鈴のすけ~」


兆くんの最近の私のあだ名は"鈴のすけ"。

一体どっから来たのだろうと疑問しかない。


「なんでオレらはこんな暇なわけ?」

「分かりません。なんとか仕事を探しに行きましょうか?」

「ま、とりあえず写真でも撮るか。部活の写真撮っておけば使えるし~」

「そうですね」


と、やっと重い腰を上げたのは午前の部活が終わりを迎える20分前だった。

すなわち、もう片付けに入っているところがほとんどで、太陽の光で汗がキラキラ...などという夢のような写真は撮れずに終わった。

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