ややぽちゃ姫と3人の王子様
アメとムチの決断
☆アメside☆
「最近のアメ、悪霊に魂、抜かれちゃってんじゃん!」
「悪霊?」
「しっかりしろって言ってんの! 今から学校行くっていうのに、サンダルはないよな?」
玄関の中まで俺を迎えに来たムッチーに、カバンで頭をはたかれた。
ほんとだ、サンダルを履いてる。
ボケボケの頭のまま、ローファーに足をねじ込む。
この2週間の僕は、望愛ロスが半端ない。
何もする気が起きないし、高校すら行く気が起きないけれど
『ジョーが行きたがってた高校に俺らが代わりに行くって決めたのは、アメだろ?今さら弱音吐いてんじゃねぇぞ!』
数日前にムッチーに鼓舞され、僕はなんとか通っている。