ややぽちゃ姫と3人の王子様




「ほら学校行くぞ」


 ムッチーの腕が僕の首に絡んできて、引きずられながら玄関を出る。


 玄関のカギを閉めた僕の頭を、ムッチーの手が無理やり下に押し込んだ。



「なにす……」


「アメ、壁に隠れろ!」


「なんで?」


「声出すな!」



 その場にしゃがみ込んだ僕たち。

 隣の家の玄関付近から、望愛の笑い声が届く。


< 110 / 217 >

この作品をシェア

pagetop