ややぽちゃ姫と3人の王子様


 僕は壁に隠れたまま固まった。

 ムッチーも目を見開いているから、多分僕と同じことを思っている。



 僕たちはジョーの死について、敢えて望愛に聞こうとはしてこなかった。

 望愛の心の傷を更にえぐりたくなんかないし、悲しい顔なんて望愛にさせたくなかったから。



 大地君は望愛の心をいやすように、優しい声を紡いでいる。



『今日だけ俺が、お兄さんの生まれ変わりになってあげる』


『でも……』


『望愛ちゃんはお兄さんに、なんて言われたいの?』

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