ややぽちゃ姫と3人の王子様
望愛はなんて答えるのだろう?
涙をこらえて『言われたい言葉なんかないよ』って、強がりをこぼすはず。
僕が赤ちゃんの頃から見てきた望愛なら、きっとそう言う。
確信をもっていたのに……
『お兄ちゃんに言われたい……いいよって……』
望愛は苦しそうな声で自分の想いを言葉にした。
『私が家を追い出しちゃったこと。私のお兄ちゃんをやめて、帰ってこないでって
叫んじゃったこと、許して欲しい……』
望愛の涙声が、身を潜める僕らのところにまで震え届く。
僕の涙腺は耐えきれない。
僕の瞳から悔しさの雫が流れ、線のように流れ続け、自分を責めずにいられない。