ややぽちゃ姫と3人の王子様




 望愛の家の草を踏み歩く二人分の足音が、躍るように鳴っている。

 望愛の声も混ざりこんで、僕の耳に届いた。



『大地君って、お兄ちゃんの生まれ変わり?』


『そんなに似てた?』


『似すぎだよ。声も話し方もそっくりで、本物って思っちゃった』



 さっきまで泣きじゃくっていた望愛だったけれど、今は声を弾ませている。



『生まれ変わりってことは、俺は3歳とかになっちゃうけど』


『じゃあ、お兄ちゃんに乗りうつられてるんだね』


『望愛ちゃん、怖いこと言うのやめて。50万差し出して、お祓い予約しないとダメじゃん』


『50万あったら、うさラビー部屋を作れちゃうね』


『お祓いにお金つぎ込むの、もったいなすぎ~』


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