ややぽちゃ姫と3人の王子様



 笑顔で涙を飛ばす星羅さんに両肩をつかまれ、この状況が理解不能。

 ハテナだらけの脳が高速回転を始めたけれど


「お葬式の時は、望愛ちゃんの顔をはたいちゃってごめんね」


 強く抱きしめられ


「ずっと謝りたかったんだよ」


 涙と共に流れる鼻水をすすりながら

「ごめんね。本当に、ごめんね」と、何度も何度も謝られたから

 私まで涙が止まらなくなっちゃった。



「星羅さんが謝る必要んなてなくて……私がお兄ちゃんを……家から追い出しちゃったからで……」


「望愛ちゃんのせいじゃないよ」


「そんなこと……」


(じょう)君に会えなくなっちゃった悲しみを……望愛ちゃんにぶつけちゃって……望愛ちゃんだって、
 お兄ちゃんがいなくなって、辛かったのにね……本当にごめんね」



 星羅さんの声も体温もあったかい。

 私の心が癒されていく。



 信じられない。

 星羅さんが私を許してくれていたなんて……



「望愛ちゃんに見て欲しいものがあるんだ」


 私に絡めていた腕をほどいた星羅さん


「譲君の遺品って言ったら聞こえが悪いよね? 残してくれた宝物、ずっと望愛ちゃんに見せたいって思ってたの」


 涙を拭きながら私にニコっ。

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