ややぽちゃ姫と3人の王子様



 お店の隣にあるお家の玄関を通り、階段を上がり、星羅さんの部屋に通された私。


 引き延ばしされたお兄ちゃんの写真が、壁や天井を埋め尽くすように貼られていて。

 机の上にもお兄ちゃんの写真盾だらけ。

 どこで勉強するんだろうと心配になるほど、お兄ちゃん一色。


 想像以上のお兄ちゃんへの想いが詰め込まれた部屋に、顔のニヤニヤが止まらなくなっちゃった。



「ねぇ望愛ちゃん、この部屋の写真のどの譲君が一番カッコいいと思う?」


「妹の私が選ぶのも……」



 変というか照れくさいというか……



「お願い、どれでもいいから一枚選んで」



 超ご機嫌な星羅さんに背中を押され、部屋中をぐるりと見まわす。



「星羅さんと手を繋いで恥ずかしそうに微笑むお兄ちゃん、なんか可愛いですね」


「譲君ってヤンチャで可愛かったよね? じゃあこの写真で決~まり!」



 ……ん?

 決まりってなんだろう?


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