ややぽちゃ姫と3人の王子様


「雨ちゃん、おはよ」


 望愛は二人から抜け出し、わざわざ僕の前まで駆けてきてくれて


「久々に晴れたね」

 瞳をアーチ状にゆるませ微笑んでいる。



 うわぁぁ。

 望愛の笑顔、キュートすぎ。



 久々の太陽が嬉しいの?

 この笑顔が見られるのなら、僕の部屋中に365日テルテル坊主をぶら下げちゃうよ。



 僕が望愛の手を繋ごうとした瞬間


「ひゃっ、お弁当忘れちゃった!」


 望愛が自分の家に駆けこんでいったから、行き場を無くした僕の手が宙をブラン。



 望愛の手を繋ぎたかったのに……

 肩を落とす僕を見て、二人の悪魔が嬉しそうに笑っている。

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