ややぽちゃ姫と3人の王子様


「と……友達の、話しだからねっ」

 
 オーバーに両手を振る望愛を見て、疑惑が確信に変わった。

 僕の表情筋が絶望感でストン。

 目の焦点も合わず、視界もボケボケのまま僕はぼそり。


「僕は好きな人としか……キス……できないけど……」


「そ、そうだよね。雨ちゃんって一途っぽいもんね」



 その通りだよ。

 幼いころからの初恋は、今もこじらせながら継続中なんだよ。

 その相手が望愛だってこと、鈍感姫には気づかれてないみたいだけど。

 

「雨ちゃん、変なこと聞いちゃってほんとにごめんね」


 手をばたつかせながら、何かを必死で隠そうとする望愛。

 絶望感がジリジリと襲い掛かかってくる。
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