ややぽちゃ姫と3人の王子様


 朝の5時半。

 朝日と早起き競争をしたいわけじゃない。

 なぜこんな朝早くに、家の前の道路に立っているかというと……


「望愛、準備体操は終わったのか?」


「……はぃ」


「今から30分、走り続けるからな!」


「……はぃぃぃぃ」


「覚悟しろよ~」と私のおでこを人差し指でグリグリする悪魔むち君と、ランニングに行くためなんです



 ひゃっ、なんか怖い。

 むち君の黒いサラサラ髪から、二本の角が飛び出ているように見えちゃう。

 悪魔が降臨してるよ。



 確かに私からだよ。

 ダイエットに協力して欲しい!

 体育会系のむち君にお願いはしたけれど……

「やっぱり一人で走るね」って言おうかな。



 私は洋服の中に手を突っ込んで、モゾモゾモゾ。

 お腹をつまんでぜい肉チェック。
 


 はぁぁぁ、これが現実だよね。

 お腹ぷよりすぎ。

 脂肪が掴めちゃう。

 自分に甘すぎる私任せじゃ、このぜい肉は消滅できそうもないな……


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