ややぽちゃ姫と3人の王子様

 全身をめぐる血液が、私の体温を上昇させていく。

 真っ赤になっているであろう顔を隠さなきゃ!

 そう思って雨ちゃんに囚われていない方の手を、顔全体にあてようと思ったのに……


「俺は望愛が痩せたいっていうから、ダイエットメニューを考えてやったんだからな!」

 
 イライラ声を飛ばすむち君に、手首を掴まれてしまいました。



「望愛は痩せなくても、このままで可愛すぎなのに」


 雨ちゃんに腕を引っ張られ


「コラ~! 望愛に抱き着くな! アメの物じゃないだろーが!」


 むち君にも引っ張られ


「ムッチーのものでもないでしょ?」


「こいつを甘やかすなって言ってんの!」


「ムッチーは望愛に厳しすぎ。女の子には優しくしなきゃでしょ?」


「望愛のためだろーが!」


 天使と悪魔の交互に引っ張られる私。

 体が左右に行ったり来たりの、綱引き状態に。


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