ややぽちゃ姫と3人の王子様


「望愛、ムッチーとランニングなんかやめよう。僕と朝ごはんつくろっか」


 ふぅ~、やっと二人の手が離れてくれたよ。

 プリンみたく揺れに揺れていた脳が、やっと器に収まった感じ。


 と、安心したけれど……

 このままじゃ私のお腹にのった贅肉は、一生まとわりついたままだ!


「雨ちゃん、私を甘やかさないで! やっとダイエットをする決意が固まったんだから!」


 私はお腹を触りながら雨ちゃんに一吠え。

 

「朝飯づくりはアメの担当だよな。一人でやれ。望愛を巻き込むな」


「むち君は、雨ちゃんを睨まないの!」


 悪魔色の目がキランって感じ、鋭いナイフで脅されてるくらい怖すぎなんだからね。

 アタフタする私を無視。

 二人は怒りの視線を絡め合い、バチバチと火花を散らしている。



 でも先にプイッと視線を逸らしたのは雨ちゃんで。

 一瞬でゆるっと笑顔を作り、私に微笑んだ。

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