ややぽちゃ姫と3人の王子様



「望愛用に僕と色違いのエプロンを買っちゃったんだ。絶対に似合う。100%似合う。僕が保証する。 望愛、嬉しい? 嬉しいよね?」


 おそろいなんて、嬉しい……けど……


「アメ、キモイことを聞いてんじゃねー! 望愛、答える必要ないからな!」


 答えるなって言われても……


「望愛、これ以上痩せないでよぉ。僕の手料理でもっと太らせたいくらいなのに~」


 涙声のエプロン王子に迫られて


「俺は、望愛が痩せたいて言うから早起きしてやったんだ。今さら走りませんなんて言わないよな?」


 釣り目の悪魔にも迫られて、どうしていいかわからない。



 私はオロオロと後ずさり。

 下がって下がって、家の壁に私の背中がドンッ。


 ひぃえ!


 なぜか私の目の前には、私の後ろの壁に手をつく二人の顔が。

 壁ドン? 

 私、二人の腕に挟まれてる。

 これじゃ逃げられないよ……

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