最後に、君と

俺はその時思わず席をたってしまった。千里もそれに気づいたのか、
「りょ、涼ちゃん？」と凄く驚いた様な顔をしながら呟いている。千里の方へ行こうとしたが、担任にとりあえず座れと言われてしまったので、仕方なく席に着いた。それから、千里が自己紹介などをしていたが俺は全くその内容が頭に入らなかった。そして、千里の自己紹介も終わり、知り合いだったということで千里は、俺と隣の席になった。その時俺は、何でまたこの街に戻って来れたのかとか、色々問い詰めたが、千里は笑って
「親の仕事の都合でまたこっちに戻ってこられたの」と言うだけだった。
そして、俺は一通り質問をした後、「あの時はごめん！」と言った。あの時というのも、俺は3年前、千里が引越す少し前に喧嘩をしてしまったのだ。今、その時のことを謝ったところ、「大丈夫だよ！それに、私も悪かったし！」と言われてしまった。本当、どんだけお人好しなんだか。そして、そんな千里のことを俺はずっと好きだった。この18年間、ずっと、ずっと