瀬川くんのジャージ
「三石 心春ちゃんだよね?具合悪い?」
その天使みたいな子は、見た目だけじゃなく、性格まで天使のようだった。
「えと、大丈夫!ちょっと考え事してて。
深井さん?だよね、ありがとう」
とっさに、名札の名前を読む。
下の名前が出てこないのが申し訳ない。
私の名前はフルで覚えてくれていたというのに。
確かお花の名前だったような、と思ったところで。
そんな私を知ってか知らずか。
「すみれでいいよ」と言い、とにこっと微笑んだ。