瀬川くんのジャージ


続けて、見た目だけの違いは難しいと言う。
黙っていたらそっくりだと。



「うーん」と、すみれちゃんは言うと。



「とりあえず、ジャージはふたりに返そう。


そして、仲良くなって、ちゃんとどっちかわかったときに改めてお礼を言えばいいんじゃないかな?」


仲良くなって?え?
と思った瞬間。 



ガタッと立ち上がり、

「……爽!涼!ちょっと来て!」


とすみれちゃんは男子たちのほうへ声をかけた。


待って…という私の制止は「なになに~」と近づいてくる爽くんの声にかき消されて。



瀬川くんたちが目の前に、来た。




< 15 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop