瀬川くんのジャージ
「それじゃ」と言い、ふたりがまた席に戻って行ったところで、ひと息つく。
「すみれちゃん!」
と小声ながらも、少し力を込めて、そう呼ぶと。
意味深な笑みを向けられる。
「ふたりのこと気になるんでしょ。こういうのは早く接点作ったほうがいいから」
確かにそうだけど…!
さっき友達になったばかりなのに。
あまりに親切で、ちょっとだけ勘ぐってしまう。
「幼なじみが、そんなによく知らない女子と仲良くするのって嫌じゃないの?」
これは素朴な疑問だった。