瀬川くんのジャージ
「…それに、あのふたりってモテるんだけど、好きでもない子に、無駄に期待させるようなことはしないんだよね」
それってつまり?と考えていると。
「ふたりのどっちかは、私にはわからないけど。
…心春ちゃんのこと、好きなんじゃないかな」
思わぬ言葉に、椅子から滑り落ちそうになった。
「は…?え!?」
ボッと顔が赤くなり、鼓動が早くなる。
どういうこと、どういうことなの。
と考えているうちに、昼休み終了のチャイムが鳴る。
「心春ちゃん、体育だから着替え行こう」
と半ば強引に引っ張られ、教室をあとにした。