瀬川くんのジャージ
「…はあ、まだ半分」
授業時間が半分くらい過ぎたころ。
すでに私はへとへとだった。
「すみれちゃん、運動神経いいね」
ちょっと羨ましいや、と言いながら笑いかける。
全て平均以上の記録を出していて、握力なんかは意外と35キロを超えていた。
細いのにすごい。
「あー…鍛えてるから。でも球技は全然だめだよ~」
へへ、とちょっと照れながら答える。
「私も鍛えようかな」なんて呟いたところで。
「調子どう?」
と、少し低めな声で話しかけられ、思わず固まってしまった。