瀬川くんのジャージ
「せ、瀬川くん」
ふたりとも揃って、目の前に立っていた。
「爽と涼でいいよ、どっちも瀬川だし。
な、涼?」
「…そうだね」
爽こそどうなの、とすみれちゃんは聞き返し、ふたりで結果を報告しあっている。
ふたりの邪魔にならないよう、涼くんの横に移動したけど、全然しゃべらないから気まずい。
上を見上げると、ちょうど肩が目に入る。
背、高いなと思っていると。
…バチッと目があった。
うわわ…となんとなく恥ずかしく、すぐに目をそらすと。
「へぇ」
と涼くんが呟いた。