瀬川くんのジャージ
「あ、ちゃんとお礼言いたくて…」
と言ったところで、首を横に振られる。
そして、ちょっと意地悪な笑顔で。
「うーん、半分正解かな?
涼にも聞いてみな」
そう言い、私の頭をポンとした。
は、半分!?というか、頭!ポンって…!
絶対に顔、赤くなってる。
両手で頬を包み、熱さを確認する。
「…掃除終わったけど。
爽、……心春に何言ったの」
ムスッとした涼くんからの急な心春呼びに、顔の熱さがさらに増す。
思わせ振りなことしないんじゃなかったの!?
そしてコソコソと爽くんが涼くんに耳打ちすると。
涼くんはちょっと怒ったように、爽くんの背中を強めに叩く。
「ごめん、お待たせ!
え、なにこの空気!?」
とすみれちゃんが来るまで微妙な空気が続いていた。