瀬川くんのジャージ
落ち着いたころ、涼くんが飲み物を持って戻ってきた。
もう大丈夫と、ジャージを頭から膝に下ろす。
「ココア好き?」
と差し出してくれたので。
「大好き」と受け取ると。
目の前の涼くんの顔が、ぶぁっと赤くなった。
え、なに、どうして!?
首をかしげながら、温かいココアを飲むと、体があったまる。
「…俺たちと友達になれてよかった?」
涼くんが遠慮がちに聞いてきた。
「うん!もちろん!
もっと早く会いたかったくらい」
そう言うと。
にっこりと、えくぼができる、あの笑顔で涼くんが微笑んだ。
その笑顔に、ちょっと。
…困った。
友達になりたいって、思ってたはずなのに。
たぶんもう。
好きに、なってる。